『マンガ ジョージ・ソロス』黒谷 薫を読んだ。
ジョージ・ソロスに対する評価はとても難しいです。
彼を、1992年のポンド危機、1997年のアジア通貨危機などで、
経済をめちゃくちゃにした、投機家と評する者も多いです。
彼の行動、実像はなかなかに掴みにくいものがあります。
一方では、マーケットのルールに従った上で、
市場の混乱を利用してでも徹底的に利益を追求するという行動をとっており、
他方では、現在のマーケットのメカニズムの問題点を指摘してもいるという
矛盾する行動をとっています。
また、彼は慈善団体である、オープンソサエティ研究所を設立しており、
ハンガリーの民主化、また、世界各地で自由主義を広めるための活動に寄与しています。
この著書は、詳細なことまでは書かれていませんが、
読みやすい伝記ものとしてお勧めできる一冊です。
冒険投資化としても有名なジム・ロジャースとの関係、
また、彼とともに運用を行い、10年間で3,365%のリターンをたたき出し
多大な利益を投資家たちに与えた、
クォンタム・ファンドについても書かれています。
国家の通貨管理体制にとっての「悪役」だけでない彼の姿を
少し覗いてみるのもいいのではないでしょうか。
『よくわかる初めてでも安心!「ロシア株・東欧ファンド」買い方・選び方』ボイスワークを読んだ。
ロシア株・東欧ファンドについての日本語第一段目です。
基礎的な内容を網羅しており、非常に優良な著書です。
ロシア・東欧各国の基礎的な情報。
国内から、ロシア・東欧に投資するための各種商品、方法。
また、各種投資信託の情報から、個別株(ADR)まで、充実した内容です。
現在、私たち個人投資家がロシア・東欧に投資する手段としては、
もっとも簡単なのが投資信託です。
投資信託については、銀行、証券会社が様々な商品を扱っています。
個別の商品がどのくらい異なるものなのか?ということについては、
正直、そこまで大きな違いはないのかもしれない、というのが感想です。
概ね、どこの投信も比率の半分以上がロシアに投資されています。
大して、東欧諸国への投資比重は大分低めです。
私たちが、投信を選ぶ際の判断の基準は、大きく二つで、
@ロシアのエネルギー関連の比率がどのくらいなのか?
Aロシア以外の投資先は、どこの国、産業に比重があるか?
です。
@については、エネルギー関連の株価は、変動が大きいので、
エネルギーの比率が低ければ低いほど、
比較的安定した推移になる傾向があります。
ただし、原油価格などが思いっきり値上がりした場合など、
うまみをあまりうまみを味わえなくなるかもしれません。
Aについては、まあそのままです。
三菱UFJの「東欧・ロシア株式ファンド」のように
ポーランドに三割という高い比重を置いているものもあれば、
日興コーディアルの「日興 拡大欧州株式ファンド」のように、
ハンガリーに高い比重を置いているものなど、それぞれ特徴があります。
まあ、ロシアの比重がどれも高いというところは共通なのですが。
ファンドではなくて、個別に投資がしたいよという方には、
ADRという方法があります。
現在、ロシアの個別株は一般の投資家は取引できないのですが、
一部の優良企業は、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場しており、
こちらを通して取引が可能です。
投信しかり、個別銘柄しかり、2006年度には
ロシアの株式市場は大きく上昇しており、
ちょっと、これから資金投入するには慎重になるべき状況になってきました。
原油価格、ガスなどの高値が続いていくと自身のある方であれば、
ルクオイルやガスプロムをもっておけばいいのかなあと思うのですが、
それ以外の産業(携帯、通信、鉄鋼など)では、
昨年度あたりあから市場の飽和も進んでおり、
結構難しいんじゃないのかという気がします。
個人的には、乳製品生産を行っている「ウイン・ビル・ダン」が
割とよさそうだなあと感じます。
おそらく、国民の経済状況がよくなって効けば、
乳製品の需要はまだまだ上がっていくでしょう。
この傾向は、成長過程の殆どの国で見られるものです。
とはいえ、やっぱり2006年度に大分株価が上昇しているので、
ある程度調整を待った方がいいかもしれません。
言うまでもないことですが、ロシアは
中国などと比べても全然高い政治リスクがあるし、
企業もかなりそれらに掻き回されるので、
相応の覚悟をした上で、投資をする必要があるでしょう。
胸をはってお勧めできる市場ではないですね。
東欧の個別の国に投資ができるのであれば、
参入したいところです。